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ロックオペラ モーツァルト
秋元才加インタビュー

2013年2月11日から東京・東急シアターオーブで上演されるミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』への出演が決まった秋元才加さん。
演じるのは、ヒロインのモーツァルトの妻コンスタンツェ役。
米ブロードウェイの演出家の指導のもと、実力派の役者陣に囲まれながらの稽古場に潜入して、お話をうかがいました。

ロックオペラ モーツァルト
――出演が決まった瞬間はどんな気持ちでしたか?
うれしかったですね。
昨年、出演させていただいた舞台版『ローマの休日』での頑張りが次につながったんだなーって。
でも、よくよく話を聞いたら、だんだん喜びより不安が大きくなって……。本格的なミュージカルで、しかも劇場は東急シアターオーブ。あんな大きな場所で、メンバーと離れて、自分をさらけ出すことに少し怖さを感じました。

――今は稽古で大忙しという感じですか?
昨年の12月から歌稽古が始まって、年明けから演出家のフィリップ・マッキンリーさんが来日して、本格的な稽古に突入しています。

――海外の演出家の指導はやはり違いますか?
経験が少ないので、比較は難しいのですが、日本人と欧米人の感性の違いみたいなものを感じます。
指導も「ロックスターになった気分で歌ってみろ!」とか言われるので戸惑うことも多いですね(笑)。
ただ、日本版の公演は、フランス版とまったく違うものにしたいという(演出家の)フィリップの意向もあって、意図的に今までとぜんぜん違う演出をしているみたいです。

――今回の『ロックオペラ モーツァルト』は、もともとフランスで記録的にヒットしたミュージカルらしいですね。
そうなんです。フランス、スイスなどヨーロッパ各国では150万人以上を動員したそうです。
フィリップは、ブロードウェイ(アメリカ)の大ヒット作『スパイダーマン』を手がけた方で、出演者も俳優の山本耕史さん、鶴見辰吾さん、ミュージシャンの中山晃教さん、高橋ジョージさんなど蒼々たる面々。
なんで私がここにいるんだろう?って感じです。

――ストーリーを簡単に教えてください。
作曲家モーツァルトの生涯をロック調に演出した作品と言えばいいのかな。
天才モーツァルトとその才能に嫉妬して、常軌を逸していくサリエリという宮廷楽長のライバル関係を中心にそのまわりの人間模様を描いています。
私は、モーツァルトを生涯愛する妻コンスタンツェ役を演じさせていただいてます。

――どんな役柄なんですか?
コンスタンツェは基本的におちゃめでかわいらしい女性ですね。
貧しい家庭に育って、思春期はモーツァルトを翻弄する姉にやきもちを焼いたり……。とにかく秀でた才能のないフツーの人。なので、私としては、少し自分を抑えて控えめにしたほうがいいのかなって思っていたんです。
ところが、フィリップの指示は「もっと強く、もっと強く」。かわいらしさ、けなげさを出しつつ、エネルギッシュにってめちゃくちゃ難しいですよね(笑)。
稽古をしながら、台本が変わることもある現場。ついていくのに一生懸命です。

――本格的なミュージカルという未知の領域で、やはり難しさはありますか?
舞台って共演者みんなでつくっていくものなんだなって、実感しています。
プロとして、自分の役を理解して、意思を持って「自分はこうしたほうがいいと思う」とみんなに伝えないといけない。
AKB48で7年間活動してきて、言われたことは6割くらいできてるかなって思うんです。ただ、「自分の意見を出せ」って言われるとなかなか慣れてなくて……。稽古終盤になって、やっと勇気を出して自分の考えを伝えられるようになってきました。
あと、たまたまですが、テレビの企画で少しだけブロードウェイでレッスンを体験したことがありました。そのときのことが少し役に立ってるかも。
ロックオペラ モーツァルト
――劇中の見どころはありますか?
うーん、どこかなぁ。たくさんあります!
強いて挙げれば、わたしがソロで歌うシーンは特に見ていただきたいかも。楽曲がすごくかわいらしいんです。モーツァルトと結婚する前のすごく貧しい生活をしている時代に「どんなときも前を向いて……」みたいなかわいらしい曲を歌っています。

――あまり秋元さんのイメージでないような……。
そうなんです。
でも、中川さんに「かわいい声だね」とか「ナチュラルな声の出し方してる」とか言われるんですよ。
AKB48では、そんなこと言われたことがないので、思わず「ダメ出しじゃないですよね?」、と歌唱指導の先生に聞きに行っちゃいました。でも最初は声がぜんぜん出なかったんです……。最近やっと自信が出てきたところです。

――何があったんですか?
やはり、新しいチャレンジということもあって、緊張で声が出なかったんだと思います。。
ミュージカルの歌い方って独特なんですよね。AKB48では、経験したことのない痛みが腰とか背中に出てきたりして。
中川さんによると「気持ちで身体がこわばってる」という状態。あるとき、突然「片足上げてみ?」とか言われて……。何を言ってるんだろうと思いながら、言うとおりにしたら、スムーズに声が出るんです。身体全体を楽器として歌うってことを少しだけ理解できたような気がします。

――満足に声が出てきたきっかけって、あったんですか?
この瞬間というのはなくて、厳しい指導を受けながらボイストレーニングをひたすら続けてきて。毎日、自分の声を録音したレコーダーを聞きながら、少しずつよくなってるというのが自分でもわかってきて、少しずつ度胸が出てきた感じですね。
あと、共演者の方に「すばらしい骨格だ」ってほめられたんです。「あとは使い方だ」って。それも自信になったかも(笑)。

――演技の面でも共演者の方からアドバイスをされる?
元宝塚歌劇団で姉役のAKANE LIVさんが本当のお姉さんみたいにいつもアドバイスをくれます。
演技のことから、衣装のことまで。例えば、かけ合いのなかで、「私の台詞をもう少し早口にしたほうがいいね」とかナビゲートしてくれて、すごく勉強になります。

――モーツァルト役が山本耕史さん、中川晃教さんのダブルキャストということですが、独特の難しさはありますか?
山本さんと中川さんがモーツァルトと宿敵サリエリ役を公演ごとに交互に演じることになっています。
私としては、愛する夫が変わってしまう訳で……。でも慣れてくると面白いですね。中川さんはモーツァルト役に入り込むタイプで、マイクがオフのときでもモーツァルトとして話しかけてくるみたいな。とっても繊細な印象です。
山本さんは、逆に男らしい感じ。身を委ねていると、世界ができあがってしまうような印象です。やはり子役時代から経験を積んでいる方なので、なんでも気づいてくれて、私の未熟な点をアシストしてくれるんですよね。恐縮しまくりです。

――共演者の方とは普段どんな話をしているんですか?
山本さんとは携帯ゲームの話とかしてます(笑)
(GREEの)AKB48ステージファイターのこととかご存じだったんですよ。
山本さんはクールなのかと思ったら、すごく気さくな方で、突然「ヘン顔」したりとかするんです。どこか大島優子と通じるものを感じます(笑)中川さんは、のどにいいグッズを教えてくれたりします。生姜湯とか漢方とか、聞いたこともないうがい薬とか……。すごく詳しいんですよ(笑)。

――ミュージカル出演の経験は、AKB48のステージでも役立ちそうですね?
しっかり自分の意見を持って、それを出し合って、メンバーとイチから舞台をつくっていくという経験は、活かしていきたいですね。
もちろん、AKB48のステージも自分たちでつくってきたけれど、「みんなのために自分の意見を持つ」ということの大切さを今回のミュージカルで改めて学んだ気がします。
あとは、歌い方もちょっと変わったかなって思うんです。ぜひ秋葉原の劇場でファンの皆さんに見ていただきたいですね。

――ミュージカルのほうも期待しています。
ありがとうございます。自分の意志を超えて、お芝居やミュージカルの世界からお声かけいただいている状況に戸惑いながら、うれしさを感じています。今回のミュージカルはぜひAKB48のメンバーにも観てほしい。特に舞台や演技に興味がある後輩メンバーに刺激を与えられたらいいな、と思います。

――2013年もますます忙しくなりそうですね。
そうなるといいですねー(笑)。
今年はAKB48の活動を頑張りながら、演技の仕事を増やしていきたい。ドラマ、そして映画にも出てみたい! ラブストーリーよりは、コメディとかサスペンスかな。悪女とか殺人犯とかストーカーとか、AKB48のメンバーが絶対やらなそうな極端な役に挑戦してみたいですね。私しかできない役。まずは目の前のミュージカルを成功させるために全力で頑張ります。
ぜひ観に来てください!

ありがとうございました。
ロックオペラ モーツァルト

共演者から「かわいい」と言われることに戸惑ったという秋元さん。AKB48のイメージを離れ、フラットな視点で「秋元才加」を評価される経験から新たな手応えを感じているようです。
演技指導が厳しくて、へコみまくった時期もあるとか。それを乗り越えて、たどり着いた「コンスタンツェ」は本当にかわいくて、輝いているはず。
恋する女性として、妻として、新たな魅力を開花させてくれそうな予感がします。


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